大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和44(あ)820 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人横山茂樹、同林健一郎の上告趣意について。

第一点は、憲法前文、九条、八一条、九八条違反を主張するが、原判決は、本件

で問題となつている警察官の規制行為が許可条件に違反する蛇行進を制止するため

になされたものであり、いわゆる安保条約に基づくアメリカ海軍原子力潜水艦の佐

世保寄港に反対する集団行進そのものを阻止するためになされたものでないことが

窺われるから、安保条約が合憲であるかどうかは本件公務執行妨害罪の成否自体を

按ずるうえにおいて必至的な前提的判断事項にあたらない旨を判示しており、右判

断は正当としてこれを是認することができる。したがつて、所論は、原判決がいわ

ば傍論として示した判決の結論に影響のない憲法ならびに条約に関する判断を非難

するに帰し、適法な上告理由にあたらない。

第二点は、憲法一三条、三一条違反をいうが、実質は単なる法令違反の主張であ

り、第三点は、憲法二一条違反をいうが、佐世保警察署長が本件道路使用許可にあ

たり付した条件は、佐世保市内の中心道路における一般交通の安全円滑をはかるた

めであつて、所論原子力潜水艦の寄港反対の意思の表現を阻止する目的でなされた

ものとは認められない旨の原判決の認定判断はこれを是認しうるから、所論は前提

を欠き、第四点は、事実誤認の主張であつて、いずれも適法な上告理由にあたらな

い。

よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、

主文のとおり決定する。

昭和四五年一〇月二九日

最高裁判所第一小法廷

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裁判長裁判官 岩 田 誠

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

裁判官 大 隅 健 一 郎

裁判官 藤 林 益 三

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